元アクセンチュア戦略グループ統括エグゼクティブパートナーの三谷さんのブログより。以下引用。
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ヒトは文章を読むとき、聞くように読む。つまり、短い分量を、感覚的にささっと読み流していく。 だから、書くように書いた文章は、読むのにツラい。
(中略)
同じことを3回話す。
・事例で
・抽象言語で
・日常語で
それで、ようやくヒトに伝わる。
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「同じことを3回話す」のくだりは「おー、言い得て妙かも」と思いました。これが面白いなあと思ったのは僕が感じたのが「言い得て妙“かも”」だったっていうことですね。というのはこの三谷さんのこのブログ記事が「抽象言語」でしか書かれていなくて、「事例」と「日常語」で書かれていなかったからでしょう。
「同じことを3回話す。~(中略)~それで、ようやくヒトに伝わる。例えば...」と書いてあれば確かに「かも」が取れるくらいに「言い得て妙だな!」って思ったかもしれません。
この記事は「ほらね、同じことを3回話さないと微妙に伝わり切らないでしょ?」っていうところまで狙って書かれている気もしますが、だとしたらめちゃくちゃすごい。同じことを3回話してないのにしっかり納得感があります。
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この週末に読んだ本。「ノー残業」のよさを説き、残業は「おバカさんの居残り」であるかのように喧伝する本が多々ある中、この本はあえて残業することのメリットを謳っています。それが何かは本書を読んでいただくとして、読み終えた個人的な感想としては、「よし、残業がんばるぞ」という気はそこまで強く起きなかったけれども、逆にもっと大きな視野で「仕事メッチャがんばろう」と改めて思わせられました。
残業術に関する本を読んだのに「残業がんばろう」と思えなかったのは、著者の唱える残業をすることのメリット・目的は腹落ちしたものの、その手段が残業しかないかというとそうではない気がしたからです。確かに著者が掲げる残業のメリットには残業でしか得られないものもあります。が、僕のいる環境では残業したとしてもそれができない可能性が高い。これは環境によるものでしょう。
その一方で、「残業するとこんないいことがありますよ」と掲げられていることの中には、例えば残業ではなくとも自宅持ち帰り作業でもできるものもけっこうあって(効率は落ちるかもしれませんが。例えば、オフィスで一旦撤収作業をして、自宅でまたセットアップをしないといけないとか)、だったら僕は自宅で一度夕飯食べてからがんばろうかな、って思いました。仕事的な効率は落ちたとしても、可能な限りはコンビニおにぎり片手に残業に精を出すのではなく、一緒に住んでいる人と夕飯をともにする時間をやっぱり大切にしたい。
と、ここまでは「別に残業じゃなくてもいいんじゃない?」なんていうちょっと後ろ向きな感想を書いてしまいましたが、でもこの本、感動したんです。少し引用しますね。
アメリカにどれだけの日本人がいようと、対米企業交渉で最も役に立つ日本人は私だと思っている。
大商社マンは胸の社章を突き出してみせて笑うかもしれないが、こちらもにやりと笑い返す。それだけの自負を持って仕事をしてきた。
それは私が人より優秀なはずだとかいう、そういう思い上がりではない。ただたんに、だれよりも私的残業をしてきたという自負。それがあるだけだ。
“私的残業”が何たるかは本書を読んでください。決して量的な話ではありません。「誰よりも長いことオフィスにいたことが私の自信の源泉です」などという単純な話じゃないです。
ここでグッと来たのは、著者が誰よりも(私的残業という形で)努力してきたから大商社マンに負けるわけがないと言い切れるほど自分の力に自信を持っているということ。これを自分のことに置き換えて、今の自分は果たしてそこまで言い切れるだろうか?と思ったんですね。
個人でやられている方も含めれば日本に数万人のコンサルタントがいる中で、ある業界、ある企業、ある分野と絞って言えば、「日本中の他の誰よりも、私が日本で一番御社のためになるコンサルティングができます」と言い切ることはできます(そのくらいのことはしてきたつもりです)。が、その絞り込まれた領域がまだまだ小さい。言い換えれば、領域をけっこう絞り込まないと「間違いなく私がベストです!」と言い切る自信は無いんですね。恥ずかしながら。現時点では。
他人からどう評価されるはさておいて、少なくとも自己評価としては、この先、「間違いなく私がベストです!」と自分に対して言い切れるだけの領域をもっと広げていきたい、そのためにはもっともっと努力しようって強く思いました。
新年早々、いい本に出会えました^^
大規模災害を想定し、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の一環として「全社員在宅勤務」を試しにやってみた会社があるそうです。記事を読んでみると、半分弱くらいはこの会社の製品「BIZTEL」の紹介と思しき内容だったりしてちょっとガッカリしますが、でも実際に全社員在宅勤務をやってみたということは評価できるでしょう。避難訓練なんかとは比べ物にならないくらい影響が出る話だと思いますし。
個人的には、在宅勤務を考えた際に最も懸念されるのは「インフォーマルなコミュニケーションが取りづらくなること」だと思っています。フォーマルなコミュニケーションに関しては、それこそ、この記事の中にも出てくる「BIZTEL」(IP電話)やビデオ会議システムがなんとかしてくれるでしょうが、隣席の人と交わす雑談や廊下でふとすれ違った時にする挨拶、ランチを食べに行く道で並んでする会話なんていうのはこういうシステムを入れたところで、オフィスで働いている時と同様になされるようになるとは思えません。ほぼ壊滅したままなんじゃないかとさえ思います。
プライベートでも一緒ですけど、ビジネスの場において、こういう一見他愛もないやり取りから生まれるモノって意外と多いんですよね。
会議や電話は、何かネタがない限りは、もしくはあったとしてもそれが相手を絡めることで発展していくことがわかっていないうちは、わざわざしないものです。ネタも無いのにわざわざ「ねぇ、何かある?」なんて電話しないでしょう。もしくはネタはあってもそれが相手にどう影響するのかわからないままに「ねぇ、○○っていう新しい仕事があるんだけどさ」なんて連絡しないでしょう。こうして連絡する時はきまって、相手を絡めることで何かが動く可能性がありそうだと自分が思っている時です。つまり、会議や電話は既に芽生えたものをドライブしていくには必要な手段であっても、ゼロから何かを生み出す場としては実はあまり向いてないんです。(というと「ブレインストーミングはどうなんだ?」と思われるかもしれません。あれはこの話に照らし合わせれば、何かを生み出そうとしている時点でもう“ゼロ”じゃないです)
その点、こういう他愛もないやり取りには、隣席の先輩が電話で話してる声を聞いて「その話だったら僕、前にやったことがあるんでそこそこ詳しいですけど」って言えたり、廊下ですれ違った同僚の手元の資料を見て「え?今そんな仕事やってんの?それって俺のこのプロジェクトと絡めらんないかな?」って思えたり、いろいろ生まれる可能性があります。
こういうインフォーマルなコミュニケーションはなかなかツールやシステムを導入したところで、在宅勤務でキープしていくのは難しいでしょう。え?Twitter?(笑)確かにあれにはその可能性があるかもしれません^^;。Twitter恐るべし。
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BCGの内田さんのブログを読んで。
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コンサルティングの仕事でも、何をやっても良いとかあるいは企業に余力がたくさんあって、何でもできますという企業の戦略を考えるのは実は難しい。それより、ある程度の制約があって、その中で答えを見つける方が、顧客の納得性が得られやすかったり、成功する確率が高かったりする。
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んー、同感。特に「顧客の納得性が得られやすかったり」のくだり。何かしらの制限があった方がこちらもロジックを組み立てやすいんですよね。逆に制限がないと「なんでそれやるの?それじゃなきゃダメなの?」に答えにくくなったりすることもある。
そういえば以前、放送作家のおちまさとさんが「企画を考える際に何かしらの制限を設けると俄然面白味が増す」みたいな話をしてたのを思い出しました。彼がプロデュースした番組の中では「百萬男」(道行く人に100万円をポンと手渡して、それを5時間以内に使いきってもらう。この5時間という制限が人間をおかしくさせる様がすごかった)や「自分電視台」(これは制限というかルールがいっぱい。詳細はリンク先を見てください)あたりが、その“制限があることで面白味が増した番組”の代表作でしょう。
使えるリソースに制限がないと、僕らも面白くないかもしれません。さて、今年はどんな制限の中で戦うことになるんでしょうか?ちょっとわくわくしますね。
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この2つの言葉の違いって何でしょう?
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